政治とは人間関係だから面白い。このテーマに貫かれた戦後政治史、その流れの中での現政権の位置づけが実によく分かる。日本の将来を考えると恐ろしい本質を言い当てている。相手の顔を見て対話が出来ない人、日本をどこに持って行こうかわからない人に強い権力を与えてしまっている日本の政治の問題をこれほど言い当てた本はない。日本の国の将来は、著者の言う蜃気楼のような中央政権に頼るのではなく、地方から民主政治を一歩一歩積み上げていくしかないのかもしれない。 安倍政権は本当に強いのか (PHP新書) 関連情報
タイトルだけ見るとまるでダジャレのようだが、意外にシリアスな内容の作品。夭折し幽霊となった夫(風間トオル)のサポートをうけながら日本初の女性首相を目指して奮闘する人気女優役をなっちが熱演。野心的な女性秘書役で保田圭、夫の連れ子で思春期の気難しい少女役で久住小春が登場する。とまどいつつも健気に政界という慣れない世界で頑張るなっち。少しづつ成長しやがては立派な政治家として一本立ちしていく過程を丁寧に描写している。悪役圭ちゃんのクールな凄み、義母との微妙な関係に悩み、反抗的態度を取る娘役の小春の瑞々しさも印象に残る。テーマがテーマなので地味なイメージは否めない作品だが、現実の政界で「本物」の安倍内閣が登場している今、この作品を見る価値は十分にあるだろう。 安倍内閣 [DVD] 関連情報
安倍政権における意思決定の仕組みを書いた好著。 著者は安倍首相とも親しい政治評論家だが、「よくぞここまで」と思うくらい安倍政権の内情を調べて書いている。だから「政治はこうして動いているのか」「あのときはこうだったのか」という話が満載。安倍政権への評価はともかくとして、とにかく面白い。 冒頭からいきなり、先だっての衆議院解散の内幕が語られる。あのときもう解散を考えていたのか、だから解散に踏み切ったのか、こうして周囲を説得したのか――もう「へえ」「ほう」の連続となる。「大義なき解散」と批判されたが、安倍政権にとってはそれなりの大義があったことも分かる。 この話に限らず、興味深いエピソードには事欠かない。民主党政権が壊した官僚との関係をどう修復したか、マスコミとのスタンスをどう取るか、閣僚のダブル辞任はどうして決まったか、東京五輪招致成功の陰に何があったか(←これは読みごたえあり)、集団的自衛権に関する閣議決定をなぜ急いだか……などなど。 その中にあってごく小さなエピソードだが、STAP細胞で一躍時の人となった小保方さんを総合科学技術会議に呼ぼうとして思いとどまったエピソードも興味深い。誰しも「へえ」となること請け合い。 著者は安倍を「現実主義者」だと定義する。その背景には安倍一次政権での失敗がある。安倍自身失敗の原因を次のように語っている。「私がやりたいことと、国民がまずこれをやってくれということが、必ずしも一致していなかった。そのことがしっかり見えていなかった。私が一番反省しているのはその点です」 この反省を踏まえ、世論に耳を傾け、世論が最も求めているものを最優先課題にする。だから「アベノミクス」なのだ。そして、課題の遂行にあたっては、各党の意向や世論を考慮して、押すべきは押し、引くべきは引く。100点満点でなければダメというのではなく、30点でも40点でも、できるところから積み上げていく。それが安倍の政治スタンスだと著者は言う。 安倍は、政権を「続ける」ということも重視している。長くなるが、私として深くうなずくものがあったので、その理由について語った安倍の言葉を引用しよう(若干改変している)。「国際会議でリードすることが、たった2年(政権を続けること)でできるようになるわけですよ。この先も私がやるということで、外国の首脳は初めて聞く耳を持ち始めるわけですね。それはものすごく大きい。日本はGDP3位の国なのに、その力を発揮できなかったのは、やっぱり政権がしょっちゅう変わっていたからだと思います」 世の中には安倍を支持する人もしない人も、当然ながらいるわけだが(それが民主主義の素晴らしさである)、本書はそのどちらも読むべき良書だと言える。政権を適切に評価するためにも、そして政権にだまされないためにも。ちなみに、後者に関連して結構空恐ろしいことが書かれている。詳しいことを知りたい方は本書をお読みください。 安倍官邸の正体 (講談社現代新書) 関連情報
仮装で使用しました。大反響でした。これならオススメできます♪ ラバーマスク M2 たのむぞ阿部総理 関連情報
タイトルだけ見るとまるでダジャレのようだが、意外にシリアスな内容の作品。夭折し幽霊となった夫(風間トオル)のサポートをうけながら日本初の女性首相を目指して奮闘する人気女優役をなっちが熱演。野心的な女性秘書役で保田圭、夫の連れ子で思春期の気難しい少女役で久住小春が登場する。とまどいつつも健気に政界という慣れない世界で頑張るなっち。少しづつ成長しやがては立派な政治家として一本立ちしていく過程を丁寧に描写している。悪役圭ちゃんのクールな凄み、義母との微妙な関係に悩み、反抗的態度を取る娘役の小春の瑞々しさも印象に残る。テーマがテーマなので地味なイメージは否めない作品だが、現実の政界で「本物」の安倍内閣が登場している今、この作品を見る価値は十分にあるだろう。 関連情報