この作品で優作のファンになったので懐かしいの一言。70年代の空気がでていて、ああこんなんだったなという懐かしさです。 野獣死すべし [DVD] 関連情報
主人公の女性(恵美子、通称エミリー)は、スペイン人とのハーフで、美人(数々のビューティーコンテストで優勝)かつ抜群のプロポーション(上から98-58-94)。 更に、頭脳明晰(一流の動物学者)、銃・ナイフの扱いもお手のもの、素手でも強い。また、ドライビングテクニックも抜群(趣味のモーターレースでコースレコードを更新)です。 この主人公が、国際秘密組織の日本支部のエースとして、悪徳医・政治家等からがっさがっさと後ろめたい金を巻き上げていくという娯楽作です。 良い意味でリアリティなんて関係ありません、読んで爽快感が味わえるので、それで良いのです。 なお、エロ要素も豊富に含まれているので、子供は読んではいけません。 非情の女豹 (光文社文庫) 関連情報
この時代の角川映画は、どれも良くも悪くも時代をそのまま切り取った感がある。 当時の安っぽさというか、詰めの甘さとでも言うか・・・。今だったら、およそ企画の段階で無理だろうと思うが、当時の角川は作ってしまった! 映画的には竜頭蛇尾なんですが、何度か見直すといいんですよ・・・これが!まずは映像的にものすごく意識して作られてる事に気がつきます。ワンシーン、ワンシーンが実に綺麗に見えるんです。最近の日本映画では見ないですねー。その代わり、どこの国なんだろうと思うシーンもあります・・・。あの少年のキャラもいらないような気もします・・・。 しかし、難しいですねこの映画は。レースシーンの臨場感は栄光のルマンにも負けない造りだと思いますし、音楽の使い方もフルっぽいけど実に良い!でも実況はいらない・・・(笑)。 もしかしたら伝説的なレース映画になったかもしれない。でも無駄も多い・・・。やはりこの時代ならではの映画だと思いました。莫大な制作費をかけて、CGを使わないリメイクを、角川さんがとってくれたらと・・・むずかしいか。 汚れた英雄 初回限定生産エディション [DVD] 関連情報
娯楽色の強い大藪作品群だが、「野獣死すべし」は違う。鮮烈なる姿を見せながらも、静かなハードボイルドだ。松田優作の映画版ではキャラクター像こど違ったが、雰囲気は原作そのものである。テーマ曲もぴったりであった。伊達邦彦がただのタフな野獣ではなく、青春を迎え、成長過程にある男だ。人物描写が圧倒的に違う。その調子が続き、銃撃戦のシーンもシリアスに描かれている。「復讐篇」「渡米篇」ではその調子から脱しているが。とくに「渡米篇」ではフィリップ・マーロウやリュー・アーチャー、マイク・ハマーまでブッ倒し、闘う前からアーチャーに「おそろしくタフな奴らしいな」と感心(?)させていた。拙者としては「野獣死すべし」の雰囲気もそれ以外の大藪作品の雰囲気も好きだ。しかし、本作は燦然と歴史の中で輝いているのは事実。これをあの時代の中で書いた大藪春彦は凄い。 野獣死すべし (光文社文庫―伊達邦彦全集) 関連情報
日本映画黄金時代の数々の旧作品がマイナー作品問わず次々とDVD化されるなか、作品BGMのCD化はほとんど放置されていましたが、先日ネットでこのCDを見つけ即購入しました。このCDは1963年の宍戸錠主演の日活映画のBGM集です。解説書によると、音楽の伊部晴美氏は数々の日活映画に粋なサウンドを添えており、ジャズ、クラシック/現代音楽、歌謡曲の伴奏という三本柱で活動を続けたギタリストでもある。Track(a)日活マーク(1分43秒) (b)タイトル(1分34秒) (c)警察署(4分35秒) (d)ジョンソン基地(5分14秒) (e)探偵事務所23(1分45秒) (f)地下室(1分11秒) (g)刑務所(1分8秒) (h)教会サックスメロディ(2分52秒) (i)銀座(59秒 (j)探偵事務所23の廊下(2分24秒) (k)芝浦(1分51秒) (l)喫茶店(1分29秒) (m)社長室(2分29秒) (n)ガレージ(52秒) (o)クラブ・エスカイア(48秒) (p)紅木倉庫(1分38秒) (q)エンディング(3分17秒) (r)挿入歌 六十三年のダンディング(4分8秒) (s)挿入歌 バカとリコウ(1分43秒) (t)六十三年のダンディ(inst.)(4分8秒) レイ・チャールズ「ホワッド・アイ・セイ」を思わせる、もしくは青山ミチ「ミッチー音頭」を予感させるツイスト調オープニングテーマ、クラブ・エスカイアの中で歌われる星ナオミと宍戸錠の挿入歌のデイキシーランド〜チャールストン風の曲想などあり、このCDは、伊部氏の幅広い音楽的センス、ジャズに対する愛情が収められ存分に感じていただけるはずですよとなっています。正直、私はこの映画自体観たこともなく知りませんでしたが、CDを聴かせていただき十分満足しました(どこぞの、いい加減な50周年記念ボックスとは違って)。個人的には、1965年日活映画『マカオの竜』テーマ曲みたいな感じの曲も好きでして、この曲は発売済です。やはり伊部晴美氏作品では、1968年東映映画『盛り場ブルース』(「プレイガール」第60話秘密クラブシーンで流用のピアノ曲ほか)・『夜の歌謡シリーズ 命かれても』(伊丹十三が城野ゆき、松岡きっこらを乗せてオープンカーを走行するシーンの曲は、「プレイガール」第14話でも流用、タイトル曲も含めサイケデリックで踊りたくなる抜群にリズムメロディのカッコいい曲がいいぱいです)をCD化してほしいですね。このCD制作会社では、他社のようにスポ根物などのBGM集CD化への路線変更はしてもらいたくなく、こういった名作映画のCD化路線も固守していただきたい。東映映画作品では『非行少女ヨーコ』(この解説書だけはダメでしたが)以来、旧東映映画が放置されています。日活映画だけでなく八木正生氏、鏑木創氏や菊池俊輔氏といった名作曲家の東映映画作品のBGMのCD化もどうか企画発売して下さい。 探偵事務所23 くたばれ悪党ども 関連情報