現在のがん治療には、悲壮感が漂う。抗がん剤投与による体調不良、そして切除、さらに放射線治療。高額な医療費を払い期待する。しかし、長く生きられる保証は何処にもない。なかにし礼が受けた陽子線治療には痛みも不快感も無い。著者は、まだ聞き慣れないこの治療で食道がんを手術せずに完治した。「がんに打ち克った」本文P132 9行目。この治療法は画期的であり、絶望の中にある多くの患者を救うことだろう。私も医療人として彼の勇気と賢明な選択肢を祝福する。また、旧満州からの引揚者として幼い頃から死に直面した体験を持つ著者が、がんと向き合って生きる時代から、がんに打ち克つ(克服する)時代の到来を伝えてくれた。私が今年、読んだ数多くの本の中で最も光を放った図書である。 生きる力 心でがんに克つ 関連情報
赤い月とは、どんなものかという素朴な疑問が有りました。常盤貴子主演で購入致しました。内容を見ているうちに、どんな時代でも、型破りな人物が存在するのだと、それも有名な、なかにし礼さん原作で、ご自分のお母様事を描かれています。 赤い月 [DVD] 関連情報
私がこの本を読もうと思ったのは、昨年毎日新聞の夕刊に【泣きながら抵抗を始めよう】、となかにし礼さんのコラムを読んで感動しましたので10枚プリントして近くの理容店に子供さんに配って下さい。と渡ししばらく忘れていたのですが、最近の安倍のごまかし、大嘘、まやかしの答弁を聴いていたら、腹立たしい思い出でこの本を出版されていないかアマゾンで検索してすぐに買いました、最初の章は真摯な平和の思いが伝わって泣きそうになりました、次第に戦争の残酷さに移り最後の方は幻想的な核戦争で地球が滅び希望を取り戻す過程をメルヘンチックに描かれています、平和の大切さが伝わってくる良書です。 平和の申し子たちへ 泣きながら抵抗を始めよう 関連情報
曲も詞も歌もなかにし礼氏による、というので興味を持った。男と女の関係をテーマにしたものは、うらぶれた悲哀とともに思いのほかユーモアのある言葉があふれていて楽しめた。私にとっては珍しい曲ばかり。詩が曲の中で生きている、歌声としても伝わってくる。シャンソンあり、タンゴあり。石田ゆりさんの歌声もあり。繰り返し聴きたくなる一枚だ。 ゴールデン☆ベスト なかにし礼~道化師の楽屋 関連情報
最近これほど心打たれた書物はなかった。久しぶりに日本のとても上質で、かつとても日本的な知性とめぐり合った感がする。中身に触れる余裕はないが、その洋を問わない音楽はもとより文学、演劇、映画、歌舞伎からオペラまでその該博なしかも説得力ある論に敬服する。死期を超えて生きてきたものとして、「生きるということ」の表題が読後ずしりと胸に響くように落ちてくる。一読を心から薦めたい。 生きるということ 関連情報