裕次郎映画あるいは「南極物語」で有名な蔵原惟繕の弟蔵原惟二監督デビュー作にして藤田敏八の「八月の濡れた砂」と二本立て上映された日活通常映画最後の作品。藤田とともにアメリカン・ニューシネマに強く影響された斬新な手法で日活ひいては日本映画新時代を拓くはずだったろうが時既に遅し。この後兄の南極物語でプロデューサを勤める頃まで地味にロマンポルノを手がけることになったのは周知のとおり。ところどころ挿入されるズームやフィルターを用いたぼかし、エンディングでの夏純子の目のクローズアップなどに切り取られた映画というものの持つ時代の刻印を認める。一方あの若松孝二の「犯された白衣」でデビューし本作でも時代を感じさせない独特の雰囲気を放つ夏がこの不幸な時代の女優であったことが一ファンとしてとても残念。 不良少女魔子 [DVD] 関連情報
森崎東監督のお座敷ストリップあっせん業・新宿芸能社(社長は森繁久弥)を舞台とした松竹の「女生きてます」シリーズ第3作。日活から松竹に移籍したばかりの夏純子がちゃりんこ(スリ)浮子(うわこ)を演ずる人情喜劇。新宿芸能社のおかみ役は本作では市原悦子。1作目と4作目の中村メイ子、2作目の左幸子もそれぞれ名演だが、市原もきっぷの良いところを見せる。浮子の兄貴分・米倉斉加年、浮子の父親でスリの大親分・西村晃ほか、ストリッパーの女たちも役柄にはまった名演で、敢然とするところのない傑作。故・立川談志がキネマ旬報で戦後の日本映画ベスト・スリーを選出した際に挙げた作品。夏純子が山形から身売り同然に就職してきた岡本茉莉を救うために、暴力売春宿に身代わりとして入り、脱出しようして火炎瓶に火をつけ、啖呵を切る場面はかなり危険な撮影だったらしい。強いばかりが男じゃないとと歌われる「浅草の唄」が、場面転換の際に効果的に使われている。夏純子の最高傑作! 喜劇 女売り出します [VHS] 関連情報
かつて『女子学園 悪い遊び』の中古VHSソフトを、ネットオークションで争ったら、価格が1万円を超えてしまい、諦めた。あの時の中古VHS1本の価格で、DVD-BOXを入手できる日が来ようとは。感慨無量。『ミラーマン』の裏番組が『シルバー仮面』で、クラスの男子のほとんどが『ミラーマン』を見ていた頃、私1人が『シルバー仮面』を見ていた。子ども心に、夏純子こそ自分のタイプに思えたから。(笑)昨年の『シルバー仮面』廉価DVD発売に続いて、このBOXが発売されるとはなぁ。生きてて良かった♪それにしても・・・『シルバー仮面』『アイアンキング』の視聴者にとって、『ミラーマン』は裏番組だ。『シルバー仮面』(の夏純子!)や『アイアンキング』(の森川千恵子!)が懐かしくてDVDを全部買ったが、だからと言って『ミラーマン』をレコメンドされても、興味が湧かない。こっちをレコメンドしてくれないから、発売に気づくのが遅くなったではないか。私が特殊なのだろうか?(苦笑) 夏純子の女子学園シリーズ≪白薔薇≫DVD-BOX 関連情報
1作目は中途半端に暴力が入っているスケバン映画でしたが今回はセックスに興味津々なチョイ悪スケベ女子中学生のコメディ話。男子高校生を連れてきて自分らの下着姿を見せつけ勃起の角度チェックをしたり、カーセックスをのぞき見して興奮したり、まるで「グローイングアップ」の女子版と言った内容。あの当時にエッチ系の少女漫画があったらこんな内容になるだろうなあという感じ。こういう映画があの時代にあったんですね。1970年前後の邦画が好きな方は必見。最近の中学生の性の乱れはけしからん!と、この映画の大人は嘆いてますが60歳近くなった当時の中学生は現代の女子中学生をどう思ってるのでしょうか。前作ではクールだった夏純子は今回は表情豊かで生き生きした役。こっちの方が性格がわかりやすくて良い。前作で気の良いテキヤを演じた岡崎二朗が今回も気の良いチンピラ(自称組長)を演じていて楽しい。 女子学園 ヤバい卒業 [DVD] 関連情報