ハミルティアの花庭 -うるわしの国と奇跡の七華- (B’s‐LOG文庫)
大きな風呂敷の結び目をほどきかけ、中をチラ見せしてさっさと蝶結びしちゃったような、駆け足の完結巻です。この巻の頭時点で、据え替えが必要な「守護富貴華石」はあと二つ。石を「壊す」時の、彼女の受ける衝撃と痛みを二人で分かつ事が出来るとわかってから「咲かしの王」と「壊しの王」であるイヴァン王子とセラフィーナの絆は揺るぎなく、手を携えて事にあたろうとしています。王子がすっかりセラフィーナに『甘えたさん』になる場面とか、ニヤニヤです。ラブ好き読者には、「確かにこう行くしかないでしょう!」と言う展開で、まあその辺りは満足なんですが…。物語世界を楽しもうと思うと、けっこうつまづくんですよね…。思わせぶりな宰相と父王とか、アンドリュー王子の懐の深さ(って言うのか?)を知るにはページが足りない感じだし、悪者の浅はかさ、というかご都合なエピソードにちょっと興が醒めたり。科学好きの王子に「それ」で動くからくり人形を贈るなんて、分析されると思わなかったのかあるいは逆に挑戦なのか?とか、いきなり全花庭にそれを撒くなんて、無謀すぎると言うか…どうやって花からそれが取れるのかリサーチしてないの?とか(笑)。それに最終「お咎め無し」みたいになってる件、さすがに外交的には弱み握って優位に立つ、とかしてるよね?書いてないけど。気になってしょうがない。あとは二巻にあったような従者と侍女のその後も知りたい〜。有料携帯サイトに登録すれば、始まりとか諸々読めるようですが…、主役二人のその後とか書き下ろし含めて短編集みたいな形で出てくれないかな。 ハミルティアの花庭 -うるわしの国と奇跡の七華- (B’s‐LOG文庫) 関連情報
素晴らしい作品である。音楽プロデューサー羽鳥風画の呼びかけで始まったこのアルバムに、ゲーム・アニメに名だたる歌姫5名と新星1名が参加。前景の1曲目(inst:29秒)は目覚めの予感2曲目:片霧烈火は、少し破天荒な旅の始まりを弾けるリズムに乗せて、力強く3曲目:霜月はるかは、厳しい旅にも焦らず時を待っても歩き続ける強かな姿を、美しく4曲目:茶太は、それでもやってくる不安や寂しさを、切々と5曲目:Ritaは、そんな昨日を振り切りってまた力強く走り出す様を、颯爽と6曲目:癒月は、ふと振り返る夕日に呼び覚まされる想い出と風景を重ねて、 望郷に惑いつつもそれに支えられる心を、優しく7曲目:高山ゆうこは、そしてまたやってくる新たな旅たちを、初々しく凛々とそれぞれに歌い上げ8曲目:6名が歌うラストは、セピア色の想い出から、ずっと続く旅へと……全体は「旅」という明確なコンセプトに貫かれ、アップ有りセンチメンタル有りでありながら詩も曲も見事な統一感を見せる。録音も良く破綻した音は滅多に見せない。特にラストの合唱曲では、ピアノ一台と6人の歌姫のみとは思えない広がりとそれぞれが混濁しない構成は見事!また新人高山ゆうこは既にキャリアを重ねてきた五人に比較しても劣ることのない見事な歌唱を聴かせてくれた。また楽しみが増えたことを歓迎したい。この業界ではタイアップのないこのような名作が不遇に終わることが多いことのみが不安。さあ、明日はどこへ行こうか?! Precious Road ~わたしだけの地図~ 関連情報
ハミルティアの花庭 ~黒耀の姫と光耀の王子~ (B’s‐LOG文庫)
まっすぐで天然なムダ美人のお嬢様セラフィーナ、「守護富貴華石」を壊せるその「壊し手」の故に、イヴァン王子に求められた結婚。…だったのに石の据え換えのアレコレでお互い惹かれあって行きました。そしてラスト、ついに恋に落ちたワケですが。王子はすっかり彼女自身が大事になっていて「壊す」ことにより受けるセラフィーナの苦痛に、彼女を「壊す」ことから遠ざけたいと思うようになる。彼女は彼女で「自分しか出来ないことなら役に立ちたい」一心です。まあそこがセラフィーナらしいまっすぐさで、ある意味、思考が単純明快でした。でも恋をして、イヴァン王子から向けられる心配に思い至って、その回路からようやく少し成長する。セラフィーナは王子より情緒が未発達というか遅れているけれど、そんな彼女が可愛く思える王子に共感しつつ読んでしまいました。私、生粋の「ハミルティーナ」容姿なのに、運動音痴であまり乙女な嗜好でもないというセラフィーナ、嫌いじゃないので。本編あとの、パメラ視点の短編も楽しかった。従者さん、彼女のどこがそんなに気に入っちゃったんでしょ〜?。いつ、どこで、も知りたい(笑)。クセモノナイス・ミドルや、不穏な動きを見せる姫君が匂わされているけれど、次巻で完結なんですね。すごく端折ってそう…。 ハミルティアの花庭 ~黒耀の姫と光耀の王子~ (B’s‐LOG文庫) 関連情報
ハミルティアの花庭 ~壊しの聖女と赤炎の王子~ (B’s‐LOG文庫)
高価なものほど壊してしまう手を持つセラフィーナ。ひょんなことから自分の手の意外な役立て方を知り…?まっすぐで恐れ知らず=天然のほほんなセラちゃんがかわいいです。も少しメイン二人の心の動きや脇役さんたちのキャラがていねいに描いてあったらいいのになあと思いつつ。でも楽しかったので続きが出てほしいですね。 ハミルティアの花庭 ~壊しの聖女と赤炎の王子~ (B’s‐LOG文庫) 関連情報