なんと贅沢な文庫本だろう。
一ページあたり四首の配列と、ほどよい活字の大きさが、文庫本とは思えぬほど絶妙な結構をもたらしている。
藤島武二の挿絵も素晴らしい。六章からなる歌集に続き「訳と鑑賞」、「評伝」、そして田辺聖子の解説「年々の愛読書」まで載っている。
○春みじかし何に不滅の命ぞと
ちからある乳を手にさぐらせぬ
これが明治34年の歌である。
○金色のちひさき鳥のかたちして
銀杏ちるなり夕日の岡に
子供のころから大好きだった一首。
みだれ髪 (新潮文庫) 関連情報
タイトルが見事です。記憶に残りますし、この物語を言いあらわしているように思います。登場人物は女性だけで、彼女たちの会話を通して、一葉の周辺を描いています。それが、井上ひさしさんの一葉への思いなのでしょう。樋口一葉、その人が身近に感じられる作品でした。 頭痛 肩こり 樋口一葉 関連情報
kindle版ですので、いつでも気楽に読めていいです。樋口一葉は、以前から読みたいと思っていましたが、文語体で書かれていますが、少しづつ読んで、その才能に触れてみたいです。明治の文学はどのような味わいか、知るうえで参考になります。 『樋口一葉全集・30作品⇒1冊』 関連情報
少し文語調ながら全く気にならない。むしろその流暢な文章が新鮮に感じる。時代背景が現代とは違うものの底辺に生きる人々のはかなさが切ない。 にごりえ 関連情報