戦国時代の女性のイメージを覆せられます。気の強い女性が多い乱世に、中にはこんな方がいたとしても良いのではないでしょうか?逆に、皆が皆「強い」女性であるというのがおかしな話かもしれません。 ごうが主人公ということになっていますが、その周りの方達も割と詳しく登場しています。特に茶々と初の三姉妹や側近のちかなど。この作品の「ごう」だけあって読み込んでしまいます。 乱紋〈下〉 (文春文庫) 関連情報
本書は、平家物語に登場する12人の女性を語ったエッセイです。永井ファンであり、平安末期の本を読み耽っているため購入しました。いろいろな資料から人物像を描き出しており、期待通りに楽しめる内容でした。平家物語や平安末期に興味のある方には「平家物語」と併せて読むことをお勧めします。角川ビギナーズ・クラシックス「平家物語」を読んだ直後に本書を読んだのですがこちらを先に読んだ方が良かったかなと思う点もあり、どちらを先に読むかは悩ましいところです。 平家物語の女性たち (文春文庫) 関連情報
この文庫本は、昔読んだことがある。
今回、新装版が刊行され、「二位の尼 時子」と「おわりに」が加筆修正されたので、購入した。
私は、「建礼門院」を真っ先に読んだ。次いで「二位の尼 時子」を熟読した。
平家物語の最終章、後白河法皇と建礼門院が再会し語り合う大原御幸。
著者は、平家物語の解説だけではなく、果たして真実はどうだったのかと踏み込んで解説される。
これはまるでミステリーを読んでいる感触である。
果たして、著者の分析では、大原御幸は史実としては無かった。平家物語の創作と結論づけされている。
また、一般的な受け取りとしては、平家物語の中で、建礼門院は、不幸なヒロインの代表とされているが、
著者は、むしろそれは二位の尼であると言われる。それだけ、加筆修正された「二位の尼 時子」は力が入っている。
壇の浦で孫の安徳天皇を抱えて海に飛び込む二位の尼へのコメントは、胸に何かがこみ上げてくるほど迫力がある。
平家物語で立派な賢者とされている平重盛が、史実では、それは疑わしいと指摘されたのも筆者であった。
物語と史実、それを対比させたながらの解説は、すばらしいと思う。
平家物語の女性たち (文春文庫) 関連情報
戦国時代に山陰山陽地方に覇を唱えた毛利元就の妻を主役にした作品.
前置きにわざわざ“これは乱世の梟雄,毛利元就の物語ではない”とあるが,上巻は完全に元就が主役である.元就の勝利を素直に喜べない性分や後暗い部分は随所に散りばめられており,元就の人となりはよく描けていると思うが,妻のおかたの方は今ひとつな印象である.もちろん,永井路子氏がつまらない小説を書くことはなく,おかたのキャラクターもしっかりと描かれてはいるが,主役としての存在感に欠ける感は否めなかった.もしかすると,この時代の山陰山陽地方の国盗り物語が面白すぎることもあるかもしれない.
毛利元就を主役として描いた作品なら,文句なく五つ星である.下巻ではおかたが大活躍することを期待しつつ,四つ星とした.
山霧―毛利元就の妻〈上〉 (文春文庫) 関連情報
浅井三姉妹を生んだお市の方を「分水嶺」と表現しているのが美しい。
ドラマチックな人生を、それぞれ分かりやすく描いています。
自分の意志を貫いたり、流れのままに生きたり、様々。
歴史を振り返るのにオススメです。
戦国おんな絵巻 (光文社文庫) 関連情報