松岡國男妖怪退治 (4) 黒鷺死体宅配便スピンオフ (カドカワコミックス・エース)
前巻もそうだけど、やいちのセリフや出番が少ないのが残念です; 松岡國男妖怪退治 (4) 黒鷺死体宅配便スピンオフ (カドカワコミックス・エース) 関連情報
黒鷺死体宅配便スピンオフ 松岡國男妖怪退治(2) (カドカワコミックス・エース)
水野、熊楠、田山兄、と実在の人間に取材した構成がひろがってきています。
その昔、関川=谷口氏の「『坊っちゃん』の時代」というシリーズがあり、そのあとを村上氏の龍、仁が追いました。
この作品は、まだどこかに面白半分のひっかけがありますが、むしろそのことが魅力になるのかも知れません。
松岡國男には、わたしはとても関心をもっていました。
一つには、彼が戦後成城学園の教育課程に関与したからです。
しかし、もう一つ理由があって、それは、彼が私の師匠の師匠、すなわちおじいさん先生と論争したからです。
その論争のスタイルは執拗で、ちょっと人間的ないやみがありました。
けれども、尊敬に値する人物です。
そのあたりの機微に通じる情報を作者はとらえたようです。
なかなか研究がすすんでいますね。
黒鷺死体宅配便スピンオフ 松岡國男妖怪退治(2) (カドカワコミックス・エース) 関連情報
大塚英志が原作なんだよ、といえば、ああーたしかにそんな感じ。
というような会話が成立する程度にグロと皮肉が備わった漫画だ。
仕事は文字通り、死体を宅配すること。お客は、死体。
仕事の流れがほぼおきまりなだけに、話筋としてはマンネリ気味だ。
しかし、死体を通して見る世間の冷たさ醜さに惹かれようものなら一気に読んでしまうだろう。作者は、死体が動く恐怖を見せたかったようだが個人的には死体の生前の人間関係を中心とした世間を見て欲しい。 黒鷺死体宅配便 (1) (角川コミックス・エース) 関連情報
同時発売された『サイコ』が余りにも酷かったので暫く放置していましたが、こちらはそれなりに楽しめました。
数話完結型なので、気が向いた時にちょいちょい読むのに丁度良いですね。
サザエさんやこち亀のように、マンネリ感は漂っていますが「買って損した!」とはならない内容です。
唐津のスタンド能力については一向に謎のままですが、原作者の暴走でおかしな展開へ進み滅茶苦茶になるよりよっぽどマシです。
これからもコンスタントに連載を継続していただきたいものです。
黒鷺死体宅配便 (17) (カドカワコミックス・エース) 関連情報
黒鷺死体宅配便スピンオフ 松岡國男妖怪退治(1) (角川コミックス・エース 91-19)
私見を添えておきたいと思います。
これは妖怪退治というよりは、妖怪譚なので、さらに大切なのは、松岡國男も妖怪に立ち向かうことによって、観察者というよりは妖怪譚の一員と化しているということです。
先日亡くなった谷沢永一氏は、柳田國男氏については、全集を読みとおすことが大切である旨を何度か説きました。その上で、氏の持つ直観と分析の力量が、妖怪のように思えてくるのならば、それは少し手間がかかってはいますが、無理のないことのように思います。
あるひとの書いた文章によって人品骨柄がわかるならば、それは言葉の力でしょう。
黒鷺死体宅配便スピンオフ 松岡國男妖怪退治(1) (角川コミックス・エース 91-19) 関連情報