セルジオ・アサド 商品

セルジオ・アサド ピアソラ:タンゴ組曲

ピアソラがアサド兄弟のために作曲したタンゴ組曲は、もちろんギターデュオの作品であるが、これだけ演奏困難な曲もないであろう。アサド兄弟はそれをいとも簡単に、そして二人のギターの掛け合いも完璧に演奏している。また、ただ演奏するだけではなくラテンアメリカの情熱や風景、郷愁も描き出している。タンゴ組曲の他にもこの二人の技巧、その表現力を感じ取れる曲が満載で飽きがこない。これだけの演奏はなかなか聴けないであろう。値段が千円とお得。 ピアソラ:タンゴ組曲 関連情報

セルジオ・アサド プレイ・ピアソラ

アサド兄弟(セルジオ&オダイル・アサド)の巧さと卓越した音楽性を堪能できる素晴らしいアルバムでした。1995年5月〜2000年2月にかけて録音されたもので、2001年に発売されたCDを再発売したものです。「ブエノスアイレスの冬」「ブエノスアイレスの春」「デカリシモ」「不在」と続く4曲を聴くだけで、ピアソラの音楽が躍動して伝わってくるのが分かるでしょう。7曲目の「デカリシモ」が大好きです。リーフレットの斎藤充正氏の解説によれば、この曲は1961年に作曲されたもので「モダン・タンゴの開祖フリオ・デ・カロに捧げられた作品」とのことでした。マルセロ・ニシンマンのバンドネオンが彩りを添え、圧倒的な存在感を示しています。これぞ、タンゴ、です。フェルナンド・スアレス・パスの甘く伸びやかなヴァイオリンが華やかに主張していました。2分頃から2分40秒に終わるまでの音楽構成は、ジャンルを越えてその異彩を放っていました。「不在」にもひかれました。1分頃から囁くようにそっと入ってくるヴァイオリンの素晴らしさに聴き耳をたてました。すすり泣くような音色です。ナージャ・サレルノ=ソネンバーグという奏者を知らなかったのですが、ナウンバーグ国際コンクールで優勝しているのですね。実力派だというのは優勝歴を問わず、音楽が雄弁に物語っていました。セルジオ&オダイル・アサドはここでも声高に弾くのではなく、寄り添う様な音楽を展開していました。アサド兄弟が本領を発揮したのは、「トロイロ組曲(バンドネオン/ウィスキー/シータ/エスコラーソ)」でしょうか。ピアソラ本来の分かり易い音楽とは毛色の違って少し難解な音楽でした。それでいてピアソラの陰影が明確に示された音楽でもありました。多様性が魅力です。「ブエノスアイレスの冬」は、有名です。現代的な音楽構成も含みながら、南米の音楽ルーツを感じさせるような音楽で、ピアソラ・ファンだけでなく、多くの人に愛される演奏でしょう。ギター・デュオだけでなく、フェルナンド・スアレス・パスのヴァイオリンも効果的に挟まれ、技巧的にも難しいのでしょうが、それらを微塵も感じませんでした。「ブエノスアイレスの春」は不協和音を効果的に使用した曲です。ダイナミック・レンジに富んだ音楽が見事に展開してありました。アサド兄弟の技術的な確かさと、幅広い音楽を表現できる才能を示した演奏とも言えるでしょう。開放的な音楽ではないピアソラのもつ音楽性が、日本人に好まれるのでしょう。アサド兄弟の演奏は、ギターの特質として弦の減衰が余情をもたらし、移ろいゆくものの儚さが伝わってくるようです。内省的な音楽の中に情熱が感じられ、聞き惚れる音楽でもありました。 プレイ・ピアソラ 関連情報




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