Otto Klemperer 商品

Otto Klemperer Beethoven: The Orchestral Recording / Symphonies & Overtures

クレンペラーは同時代の指揮者に較べ、非常に広範なレパートリーを有していましたが、その中でもバッハ、ベートーヴェン、モーツァルト、メンデルスゾーンは余人を以て代え難い、素晴らしい演奏となっています。この全集中の交響曲第1番など、初期の交響曲とは思えないほど巨大で、一瞬、本当にこれがベートーヴェンの1番か、と耳を疑いました。他の曲も非常に素晴らしい出来です。クレンペラーのベートーヴェン全集は最近では全くもって評価の俎上に置かれるということもなく、正直不当に評価されているように思えてなりません。今ではもう、こんな骨太で、荘厳崇高で、気高いベートーヴェンは聴けなくなりました。客に全く媚びず、自分自身の信じる芸術を極めた演奏というものも実は素晴らしいものです。 Beethoven: The Orchestral Recording / Symphonies & Overtures 関連情報

Otto Klemperer

 どういうわけかファンの間でも余り知られていないドキュメンタリー。DVD化もまだらしい。1985年ドイツの作品だが英語の字幕が付く。監督はPhilo Bregsteinというオランダ人。 一言で言って『クレンペラーとの対話』(2005年/白水社刊)に添える視聴覚資料といったところか。もともとラジオ番組だったものを本に起こしたのが『対話』、参考映像を加えたのが本ビデオという感じ。クレンペラー本人の語る思い出に合わせ、関連する映像や音楽が重なるという趣向である。 加えて最晩年のリハーサルや録音風景(ニュー・フィルハーモニア管とのマーラー『復活』、ブラームスの第3交響曲、ハイドン『オックスフォード』など)の他、クロール・オーパーの現在(本作の製作当時)の外観…と言うか廃墟、戦前ロサンゼルスでの指揮姿、戦争直後のベルリンはコミッシェ・オーパー『カルメン』の舞台やブダペスト・オペラでのリハーサルの映像などは貴重かも。SP音源のオッフェンバック『エレーヌ』や『七枚のヴェールの踊り』、ライヴ録音の『浄められた夜』も一部が聴け(まあ、最近ではネットで簡単に入手出来るようになったものばかりだが)、『対話』で読める以外にも「アド・リブは指揮者の裁量」と歌手を一喝した、本番中のクライマックスで車椅子からいきなり立ち上がった等々有名なエピソードの出所となった発言が(パウル・デッサウ、エルンスト・ブロッホらの肉声で)確認出来る。寄せ集めの楽団で奏者を全員立たせ、その中を歩き回って指揮した(ら素晴らしい演奏になった)という話は最高。反ユダヤ主義やホロコーストを語る悲痛な口調も印象に残る。クレンペラー作曲の諸作品もスコアを目にすることが出来るが、こちらは残念ながら、弦楽四重奏曲のスタジオ録音(マーラーの第7外盤に所収)以外は音では聴けず。  衰えの目立つ最晩年の姿は映像なだけに痛々しく感じられる時も。マーラーの第9から縹緲としたフィナーレ(当然ながら、私見では唯一無二のクレンペラー盤から)が被ったりするとなおさらなのだが、リハーサルでの溌剌としたベートーヴェン『シュテファン王』序曲(おそらく、最後となったコンサートに向けてのもの)で締めくくるエンディングは感動的。近々に新しい評伝の日本語版も出るようなので、あらためて紹介しておく。 関連情報

Otto Klemperer Otto Klemperer's Long Journey Through His Times [VHS] [Import]

 どういうわけかファンの間でも余り知られていないドキュメンタリー。DVD化もまだらしい。1985年ドイツの作品だが英語の字幕が付く。監督はPhilo Bregsteinというオランダ人。 一言で言って『クレンペラーとの対話』(2005年/白水社刊)に添える視聴覚資料といったところか。もともとラジオ番組だったものを本に起こしたのが『対話』、参考映像を加えたのが本ビデオという感じ。クレンペラー本人の語る思い出に合わせ、関連する映像や音楽が重なるという趣向である。 加えて最晩年のリハーサルや録音風景(ニュー・フィルハーモニア管とのマーラー『復活』、ブラームスの第3交響曲、ハイドン『オックスフォード』など)の他、クロール・オーパーの現在(本作の製作当時)の外観…と言うか廃墟、戦前ロサンゼルスでの指揮姿、戦争直後のベルリンはコミッシェ・オーパー『カルメン』の舞台やブダペスト・オペラでのリハーサルの映像などは貴重かも。SP音源のオッフェンバック『エレーヌ』や『七枚のヴェールの踊り』、ライヴ録音の『浄められた夜』も一部が聴け(まあ、最近ではネットで簡単に入手出来るようになったものばかりだが)、『対話』で読める以外にも「アド・リブは指揮者の裁量」と歌手を一喝した、本番中のクライマックスで車椅子からいきなり立ち上がった等々有名なエピソードの出所となった発言が(パウル・デッサウ、エルンスト・ブロッホらの肉声で)確認出来る。寄せ集めの楽団で奏者を全員立たせ、その中を歩き回って指揮した(ら素晴らしい演奏になった)という話は最高。反ユダヤ主義やホロコーストを語る悲痛な口調も印象に残る。クレンペラー作曲の諸作品もスコアを目にすることが出来るが、こちらは残念ながら、弦楽四重奏曲のスタジオ録音(マーラーの第7外盤に所収)以外は音では聴けず。  衰えの目立つ最晩年の姿は映像なだけに痛々しく感じられる時も。マーラーの第9から縹緲としたフィナーレ(当然ながら、私見では唯一無二のクレンペラー盤から)が被ったりするとなおさらなのだが、リハーサルでの溌剌としたベートーヴェン『シュテファン王』序曲(おそらく、最後となったコンサートに向けてのもの)で締めくくるエンディングは感動的。近々に新しい評伝の日本語版も出るようなので、あらためて紹介しておく。 Otto Klemperer's Long Journey Through His Times [VHS] [Import] 関連情報

Otto Klemperer クラシック・アーカイヴ オットー・クレンペラー [DVD]

最上の第九ライブ記録の一つです。フルトヴェングラーの著名なバイロイト音楽祭ライブも根源的で普遍的な情動と演奏経験に裏打ちされたものですが、このクレンペラー演奏は、もっと構造的でありながら、音楽(特にオーケストラ)の旨味を濃縮した感があり、繰り返し鑑賞するたびに新しい味わいを発見するであろうものです。しかも映像つきで、老境のクレンペラーの舞台姿の記録クラシック・アーカイヴ オットー・クレンペラー [DVD]クラシック・アーカイヴ オットー・クランペラー [DVD](指揮棒を持てないが持つ手の形はそのまま、左手の特有の動き、ぎくしゃくした歩行)、当時の名人オケであるニューフィルハーモニアの面々のアップが聴きどころで確実に映し出される満足感(例:第3楽章4番ホルンの長いソロ、トランペットのフィリップ・ジョーンズの雄姿=古い型の小さい楽器を使っている、コンマスの渋いかっこよさ、カラヤンベルリンに引き抜きたかったがなしえなかったクラリネットの名手)は出色のDVDです。 クラシック・アーカイヴ オットー・クレンペラー [DVD] 関連情報

Otto Klemperer Otto Klemperer: Volume 1, 1885–1933: His Life and Times (Otto Klemperer, His Life and Times)

非常に面白い本です。klemperer and his times と言う風に銘打っているわけですけど、時代の描写は(特に第一次大戦)どちらかというとやはり背景に退いており、基本的にはklemperer自身の軌跡を彼のキャリア形成を中心に跡付けた作品です。ただし彼自身が色々な場所でのオペラ指揮者としての経験をつんだわけで、必然的に色々な場所や時代を、一つのライトモティーフとして間接的に浮かび上がらせています。この本を読んで痛感させられたのは、やはりレパートリー・システムに対する彼の強い抵抗感ですね。そしていまだに繰り返されているいわゆる文化政治の内幕です。特に現在も問題になっている永遠の課題、つまりベルリンにオペラ・ハウスが3つも必要なのかという文化政治の荒波の中で、芸術のための芸術だけを追い求めたklempereの悲劇的な存在です。またkroll opera自体の偶像化についても、事実を基に、その虚像と実像を明確に描ききっています。また索引を見ていただければわかるように、当時の知識人や芸術家の名前が目白押しです。総合芸術なるものがまだ存在しえたある時代の一瞬の素晴らしい描写になっています。 Otto Klemperer: Volume 1, 1885–1933: His Life and Times (Otto Klemperer, His Life and Times) 関連情報




Loading...


ここを友達に教える