滝田洋二郎監督と言えばおくりびとというイメージが最近では強くなったが、やはり滝田洋二郎監督と言えばこの一般映画デビュー作の本作の印象が強烈である。アクの強い内田裕也が芸能リポーターに扮し、映画公開当時の80年代中期の実際の芸能、社会的事件が次々に再現されていくという虚構と現実の境界線が崩壊していくような奇妙な感覚にとらわれていく作品である。当時のネタになっている事件を知らない世代にはそれ故いまいち意味が分からないかもしれない。ラストの豊田商事の会長刺殺事件の再現が見所だが、犯人の一人はビートたけしなのだが、あまりに実際の事件を再現し過ぎているため、全く笑えない。ラストの血まみれの内田のセリフが印象的である。80年代の日本映画を語る上で外せない異色作として必見である。 コミック雑誌なんかいらない! [VHS] 関連情報
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若い人たちにはなんで禿げ頭の老人である内田裕也がいろいろテレビなどに出没するのかわからない人も多いかもしれない。これをみると、昔一世を風靡した人だということがよくわかりますよ。 NIKKATSU COLLECTION 十階のモスキート [DVD] 関連情報
日本の音楽史に異彩を放つ作品です。伝説のアルバムと呼んでもよいでしょうか。内田裕也さんのプロデューサーとしての天分が発揮されています。何と言っても、麻生レミのヴォーカルが聞きものです。ジャニス・ジョップリンかグレース・スリックを髣髴させます。これほどロック・フィーリング溢れる人はそういないと思います。発売が1969年ですから、それを考えると、よくぞ、ここまでのサウンドを創りあげたと感激です。日本のロック・シーンはグループ・サウンズに進んでいって、アメリカやイギリスのようなムーブメントとまではいかなかったのですが、そういう中で、一途にロックを追い求めた内田裕也さんの思いが伝わってきます。アルバムを出させる代わりに録音をしたというシングル曲がボーナス・トラックが入っているのがユニークです。このアルバムで追い求めているロックと余りに距離のある曲です。これが当時の日本の音楽事情を示していると思います。 CHALLENGE!(紙ジャケット仕様) 関連情報
正直、あまり楽しめなかった。70年代的な粗野でパワフルでおおらかな雰囲気が、何だかリアリティーが感じられなく、感情移入も感嘆もできなかった。そのせいで楽しめなかったと思う。吉田豪が昨年復古した勝新ものの方が、当時の風俗や芸事に関しての的確な描写があって、「破天荒だが天才」という勝新の姿がばんばん伝わってきた。それに山城新伍の著作も含めて、基本は上品。本書は違う。あからさま。いい加減。そこは悪いとは言わないが自分の期待とは違った。ただこの本に書かれた、内田裕也という人の半端じゃない感受性というか世界観は、09年の現在に読むとものすごく楽天的に見える。70年代というのはもっと暗くて鬱屈した時代だったと思うが、そこは内田裕也という「ロッキンローラー」の強烈な個性なんだろう。内田裕也がずっと愛されてきた理由が分かる。こんなに不景気で社会不安が高まってきている現在は、もっとベタな70年代的閉塞感を再現した読み物こそ、読者は読みたいと思うのだが。。。 俺はロッキンローラー (廣済堂文庫) 関連情報
今までにない異色のコラボで最高です。毎日ヘビロテしています。 シェキナベイベー (CD+DVD) 関連情報