黒川創 商品

黒川創 かもめの日

たくさんの登場人物がそれぞれ微妙につながっているんだけれどその微妙さがもどかしい。読み終わった後のいわゆる「後味」が希薄かな。言い方を変えると、スルッと読みやすい作品ではある。 かもめの日 関連情報

黒川創 暗殺者たち

夏目漱石、安重根、伊藤博文、菅野スガ、荒畑寒村、幸徳秋水、大石誠之助らの、20世紀初頭の同じ時期の行動や思い、人となりを、ありのままにフラットに俯瞰するように描いています。暗殺者やその嫌疑をかけられた人たちが、普通に魅力的で、また弱点もある人間だったんだとの思いを強くします。伊藤博文や政府側の人間に対してもイデオロギー的な価値観で裁断するような記述がないのが良いです。漱石の寄稿文の韓国、満州への腰の据わっていない表現についても、ことさらに言挙げするような姿勢ではありません。興味深いのは、伊藤博文も安重根と同じく暗殺者であった、という指摘です。

学生時代に訪韓して光州事件被害者の支援活動をした著者の経験も語られます。私と同世代ですが、その当時に本書のようなフラットな、俯瞰した視点を持つことが出来たかどうか。そこには、やはり、20世紀末から21世紀にかけての、大きな歴史の変動から学んだことが反映されているように思えます。

なぜ、韓国は、あの軍事独裁政権から、武力革命なしに少なくとも国民世論が政権を動かすような国になれたのか。もちろん、国民の運動も重要でしょうが、経済発展(生産力の発展)があったことが大きな因子のように思われます。私には、このことの方がソ連崩壊よりも驚愕の出来事でした。この間明らかになったことは、かつての韓国政府や日本の明治政府のような「開発独裁」は歴史的必然であること、しかし生産力がある程度大きくなるとそのような開発独裁は不要になること。かつてのソ連も現在の中国も「開発独裁」に他ならないこと、担う勢力が左翼であるか右翼であるかに関わりないということ。荒畑寒村が谷中村で見聞した鉱山経営や開発のための官憲の横暴は、今現在、中国の地方で共産党政府が行っていることと区別はないでしょう。

社会運動や抵抗に意味がないとか、そういうことを言っているのではありません。それらを含めて、従来のような左翼、右翼、権力、反権力の紋切り型の視点や近視眼的な批判でなく、歴史を俯瞰して見ていくことが大事なのだとの思いを、本小説を読んでさらに強くした次第です。 暗殺者たち 関連情報

黒川創 田舎の刑事の趣味とお仕事 (創元推理文庫)

推理小説、でも殺人事件はなく、
ボケとツッコミの、というよりは、
ボケ担当だらけの警察の活躍の話です。

わさび盗難事件、
電球事件
(本当は立て篭もり事件だけれど電球の印象が強い)、
ブラックバス事件
(本当は発砲事件だけれどブラックバスの印象が強い)、
腹話術人形事件
(本当は宝石ルビーを巡る事件だけれど人形の印象が強い)。

1話目は黒川は検挙率の良い切れ者刑事のクールな印象、
その黒川の妻は不平不満を言わない古風な女性といった印象だけれど、
2話目から段々とその印象が崩れてきます。
最後にはその印象は全くなくなります。
それというのも、
黒川の妻の存在が大きくなってきたから。
コンビニ立て篭もり事件だけれど電球事件と言いたくなったり、
発砲事件だけれどブラックバス事件と言いたくなるのは、
これは黒川の妻の濃いキャラクターによるもの。
笑わせてくれます。
それでも、黒川はきちんと事件解決していきます。
泣きながら・・・。

作者もあとがきに書いていましたが、
書き重ねていくうちに主人公黒川のキャラクターも
少しずつ変わってきたようです。
どんどん面白くなっています。
こうなってくると
続編が楽しみになってきます。
第3回ミステリーズ!新人賞受賞作、納得です。 田舎の刑事の趣味とお仕事 (創元推理文庫) 関連情報

黒川創 きれいな風貌―西村伊作伝

文化学院の創設者、西村伊作さんについては何の予備知識もなかったが(文化服装学院と勘違いしていたくらいで)、読みだしたら厚めの1冊をあっという間に読んでしまった。
大逆事件で処刑された大石誠之助の甥でもある伊作さんは、新宮の山持ちの息子にして、今で言えば大富豪の跡取り。キリスト教や社会主義にも触れるが、それにとどまらず、絵画、写真、服飾、設計、陶芸など、幅広い関心を持ち、特に大石さんの処刑後は、「主義」にも一定の距離を保ち、私財を投入して、学校を創設し、戦争中もリベラルな校風を維持し、投獄されても自分を曲げなかった男。
膨大な文献を駆使して平易な文でつづられたこの評伝は舌を巻くほど面白い。堺利彦さんの評伝である、黒岩比佐子さんの『パンとペン』と併せ読むと、それぞれの人生がクロスする歴史も浮かび上がって、なお面白いのでは? きれいな風貌―西村伊作伝 関連情報

黒川創 きららせんせいといっしょ。 黒川きらら [DVD]

大人が日頃の疲れを癒す為の保育園が、一人のイタズラッ子(?)の入園で事態は一変、美巨乳きらら先生が玩具と化し、本当に“大人”の保育園となってしまいます。
下からのアングル時におっぱいの眺めが素晴らしいフ●ラルーレット、女体弄りと複数の男たちに弄ばれるシーンもあり、明るくいい意味でバカバカしい内容は、妄想好きなら楽しめると思います。
ただ、大人たちの赤ちゃん言葉が個人的に受け付けることができず、その点で-1評価にさせていただきました。 きららせんせいといっしょ。 黒川きらら [DVD] 関連情報




Loading...


ここを友達に教える