椎名麟三 商品

椎名麟三 深夜の酒宴・美しい女 (講談社文芸文庫)

「美しい女」の中の結婚生活。暗くて重い結婚生活が描かれていて,苦しくなります。会話が明るい関西弁で飄々とした調子で書かれているので,楽しくスイスイ読めるのですが,それでも苦しくなります。~抜粋~私と克枝の生活は,おたがいにとって拷問の一種に変化していた。何か一口いっても,必ずヒステリーを起こして別れ話になる,絶対の審判者とでもいうべきものが,その家の中に鎮座していたからだ。すごいですね。椎名麟三。 深夜の酒宴・美しい女 (講談社文芸文庫) 関連情報

椎名麟三 煙突の見える場所 [DVD]

東京の下町に住む上原謙と田中絹代夫婦。2階建て自宅の2階には独身の高峰秀子と芥川比呂志が住んでいる。4人の住まいからは本当は4本あるお化け煙突が3本に見える(みんな3本だと思い込んでいる)。この煙突が4人の描くストーリーを象徴している。田中絹代は東京大空襲で前夫を亡くし、上原謙と再婚し幸せに暮らしていたが、二人の関係は妻のアルバイトが発覚したことにより微妙に歯車が狂い始める。そして、実は生きていた前夫が赤ん坊を二人の家に置き去りにしたことにより夫は妻を徹底的に攻めるようになる(夫は妻をかばおうとはせず、エゴをむき出しにする)。夫はプライドを傷つけられたことに怒り、妻は赤ん坊を本能で助けようとする。冬の早朝、妻が入水自殺しようとするシーンは、寒さと妻の孤立感が伝わるリアルさが何とも言えない。そんな入水しようとする妻を土手から見守る夫に芥川比呂志が何故止めないのかとの問いに対し「どうやって止めるんだ」と無邪気に聞き返す上原の情けなさも秀逸。この入水のシーンは田中、上原、芥川、高峰の4人の人間関係を見事に表したシーンでもある。芥川も正義を振りかざして、赤ん坊の親を探すが子供を捨てた親の言い分を聞くとその正義感も萎えてしまう。そんな、芥川の弱い面をみた高峰が赤ん坊を捨てた女の感情を理解し叱責する。芥川と高峰の関係も赤ん坊を置き去りにした事件をきっかけに大きく変わっていく。ラストはコリーヌ・セロー監督の傑作「赤ちゃんに乾杯」的だが、全体としては男の理性とプライドの弱さと、女の本能と感情の強さをシリアスとコメディの両手法を用いて対比的に描き分けた傑作だ。4本のお化け煙突同様、人間は見方によって変わる面白い存在なのかもしれない。ところで、「お化け煙突」とは東京電力の千住火力発電所の煙突(1963年まで稼働)で、常磐線や京成線からその姿を見ることができたようだ(作品内のシーンもそこからか)。 煙突の見える場所 [DVD] 関連情報




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